松山キャノンボール2001(Vol,8)

<2001/12〜14/Aug>

Report by おっちゃん@2CV
Photo by  おっちゃん@2CV&誰か

<Intro>

今回は車作る所から始まるのでかなり長く成りますよ。


=Verse=(4/29~8/10)

キャノンボール
に参加する事8回、そして2CVで参加するようになって2回目のキャノンボール、しかも実は2台目の2CVでの参加となった今回もまた思い出深い感動的な旅と成りました。思い起こせば今回のキャノンボール開催の3ヵ月半前の4/29深夜、僕のふとした不注意から事故ってしまい去年のレポート『チーム2CV』で友達のH4と楽しく参加してた87年式2CVは廃車になってしまったのです。幸い?にも相手の無い自損事故で自他共に怪我人も出ることは無かったのですが2CVはもう乗る事が出来なくなってしまいました。何が悔しいって、もう乗る事が出来なくなった事よりもぶつかった植え込みの“木”と、その時2CVとその木の間に挟まれたプラスチック製の“ちりとり”が無事(無傷)で車だけが廃車になるまで壊れた事。そう、この事からも解るように実は大したクラッシュでは無かったのですが2CVは構造上正面或いは斜めからぶつかるとかなり遅い速度でもフレームが終わってしまうのです。しかし、今から考えるとこの出来事が僕にとって今回のキャノンボールの始まりと成ったのかもしれないのです。(ハッハッハッ=不謹慎だわね=)


=2CV復活か?(キャノンボールに向けて)=

事故直後和歌山市内のBar『Bird』のマスターで友人のS河君が車を貸してくれた事もあって何とか大阪に帰宅、翌早朝にクライド和歌山支部の満月屋さん(車屋さん)に現場からの2CV引き取りをお願いしてご好意で代車を借りる事になったのです。『持つべきものは何やら』で心細い時に友達の連携プレイ(変なあれではない)で心も体も(変なあれではない)随分と助かったのです。(ありがとう、良かったわあ〜、ウフッ♡)

さて、この時点では僕自身何とか2CVは直るって思ってたのですが(40万ローンは覚悟したけど)日を改めて再び満月屋さんにお願いして事故車を大阪の『伊藤自動車工作所』(大阪市城東区)さんまで運んで見積りをお願いしたところ更に後日「30万位と思ったけど予想以上にフレームがとのことで80〜100万はかかるかも」とのお返事をいただき止む終えず諦める事に(気持ちは治したいけどもう僕には無理でした)。悲しみを胸に仕方なく再び満月屋さんにお願いして伊藤自動車さんに車を引き取りに行ったらなんか車の雰囲気が違うんです。よく見ると無残にもグシャって折れ曲がってた左前輪が心無しかしっかり立ってるんです。「えっ!」と思い伊藤さんに聞いてみると『このままじゃあ積車積むにも車庫入れするにも不便だろう』と何とか前進とバックが出来るよう仕事の合間の時間を使って曲がったアームを叩き出してくださってたのです。お金を払おうとすると「今回はお役に立てなかったので」と言って受け取られませんでした。ここでもまた人の優しさに支えられてしまったのです。


=という訳で(復活か?バリアント編)=

いよいよ2CVが駄目とわかると今度は『キャノンボールに間に合わない』という焦った気持ちが一気に押し寄せて来ました。満月屋さんから代車でお借りしてるクーラー付『ミニカトッポ』を「4万でどお?」ってお話しも有ったのですが絶対嫌(ゴメン)だったので1年半寝かせてた最終兵器『’73VWタイプ3バリアント』を車検通して復活させる事に決意したのです。

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(左)寝てる子起こしました (右)タイプ3現役時代宇和島にて撮影

が、タイプ3には一つ気になる所が有りました。それは、フラット4すなわち4気筒あるエンジンのうち1本4番シンリンダーのコンプレッションが全く無く死んでた事。

「まあいいや」っと伊藤さん所に持ち込み車検をお願いしたのだけど、生ガス(4番が燃えてないのでガスがそのままの状態)が出てるので排気ガスの値が出ずやはりエンジンをオーバーホールしないと車検は難しいとの事。しかも、エンジン降ろしたところで4番だけ治せばいいのか全部治さなくてはならないかはエンジンを開けてみないと解らないので何ともといった感じで、更に致命的なことは僕が税金が掛かるのを防ぐためナンバープレートを返納廃車してた事なのです。こうなると、次の車検登録は“中古車新規”と言うことに成る訳でその分車検も厳しく当然こんなエンジンもじゃあいけない訳なのです。結局見積りは50万コース、これも諦めざるを得ませんでした。

ただ焦りだけが残るのみ.........。


=更に(ラダニーバ編)=

03.jpgこうなればっとやけっぱちに成った僕は満月屋さん秘蔵のロシア製4駆『ラダニーバ』(ナホ トカ号)を安く分けてもらい直して乗る事に。以前このナホトカ号が動いてるのを何回も見て知ってたので簡単に考えてたのですが、気がつくと2年位雨ざらしで動いてなかったみたいで最低でも30万コースかなって事で諦める。でも結果、ご自身もラダニーバオーナーでラダニーバスペシャリストの車屋さんI原氏と知り合えたのでこれはこれで良かったかなって感じ。



=更にその後=


さあ、こうなると焦りから平常心を保てません。“今後乗る車”を探さなければいけないのに何故か基準は“キャノンボールに行く車”に、結局は色々探しました。ワーゲン時代お世話になった信頼できるワーゲンショップ『 ガレージ・ツジモト』(大阪府南河内郡千早赤阪村)さんに久しぶりに出物を探しにも行きましたがどのみち車を新しくするって事は最低50万仕事。しかももう2CVの何かとリーズナブルな世界を知ってしまった僕の体には同じ様なコンセプトで作られた空冷ワーゲンでさえ色々高く感じられるのです。

その後、足で探すことをやめてインターネットのYahooオークションで探すことにしました。わざわざ足を運ばなくても良くなったのでここぞとばかりにいろんな車を探しました。フィアット500、ルノー4、空冷ワーゲン、パブリカ、etc、でも高いので指をくわえてただけ。でも結局は本当のところは2CVが欲しかったので30万前後で出てる車には全部チェックを入れ見に行けるものは全て足を運びましたがあまり心を引く2CVさんには出会えませんでした。

そんな6月も半ばに差し掛かったある日、いつもの様にオークションをチェックしてたら岡山県井原市から2CV6チャールストンの書類付不動車が5万円で出てるじゃあーりませんか。程度なんて糞食らえ、フレームさえ生きてればこっちには同じ2CVの事故車即ち “部品取り車”が有るので少々の事は怖く無いのです。結局何日か粘った挙句この2CVさんを9万1千円で執念の落札成功。これまた満月屋さんのご好意で岡山まで引き取りに行ったものの現実を見て一度はキャンセル。しかし後日、この2CVさん夢に出てきたのでキャンセルをキャンセルして再び岡山の井原市まで今度は伊藤自動車さんで積載車を借りて単身引き取りに行ったのです(車降ろす時グレさん&きんばりんありがとう)。実は僕2CV今までに2台買いましたけど2台とも10万以下(1台目は8万円)で買ってるのです。(少し羨ましいでしょ>お探しの方)



=2CV復活計画=

車を岡山まで引き取りに行ったのが6月後半だったか7月の前半頃だったか、キャノンボールまで後1ヵ月半、車庫証明や車検登録などいろんな諸々に掛かる時間を差し引くと車を治してキャノンボールに行くには作業時間が2週間くらいしか有りません。しかもお金が無いことから作業は車検登録以外は全て自分で行うのです。本当はユーザー車検でも良かったのですが仕事も有るのでさすがにそこまで時間を裂く事が出来ませんでした。焦りの極致の中作業は始まりました。

先ず、車庫証明を出してる間に修理してしまい書類が揃った所で『伊藤自動車工作所』に車検登録をお願いすると言った計画の元事を運んだのですが、10年間不動で半ば雨ざらしだった2CVさん、その見てくれから作業難航の兆しが......。

しかし、2CVはその構造のシンプルさ故バラバラにするにも慣れた僕には朝飯前、作業1日目は岡山からのフェリーだけで終わりましたが、2日目にはフロント周りや屋根幌やリアパネル等は完全に外され実はこの2CVさんが思いのほか痛んでないことを実感、先ずは車内あちこちでお亡くなりになってる様々な虫さんの死骸を泣きながら御掃除する所から始まりました。(怖かったわあ)


埼玉のショップ『英田舎』(行田市)さんと大阪のショップ『 DUC HOUSE』(伊丹市)さんから必要な部品を揃え時間の都合怪しい部品は修理ではなく思いきって交換する方向で随分時間の短縮を図る事が出来ました。もともとパーツの安い2CVだから出来る思いきった作戦なのです。そしてバンパーは新品に、幌はそのままオリジナルを、ボンネット&リアパネル&シート類は事故車の奇麗な方を使いサビ対策を施してペイントして作業が進むにつれ“同じ車?”と思うくらい2CVさんは奇麗に成って行かれたのです。

外装が出来ると今度は一番心配される機関なのですが、エンジン関係は本体もセルもダイナモもキャブも見た目はとても汚くってもう動く気配すら感じられませんでした。最悪エンジン諸々の積み替えを考えてたのでまあとにかく軽い気持ちで先ずは壊れてたイグニッションキーの部分を事故車から移植、バッテリーも移植、テスターでスイッチの導通を確認、ガソリンホースを新しくしてガソリンを少し入れて(チャールストンはタンクがプラスチック製の為10年置いててもサビの心配が全く無いのです)プラグ&エンジンオイルも新しくして一かバチかキーオン、幸いセルは回るけどやはりエンジンかからず。とりあえす原因を追い込もうと調べると機械式ガソリンポンプがお亡くなりに成ってる事が解り事故車より移植、気を入れなおして再びセルオン、かからず。今度はプラグに火が飛んでないことが発覚したのでイグニッションコイルを交換したところ今度は何と一発始動で元気なエンジン音を響かせてくれました(目茶「やったー」って感じ)。

こうなると後は張り切る張り切る、明くる日からは床のサビをやっつけてサビ止め&ペイント、シャーシブラック等の仕上げ作業に。そうこうしてるうちに車庫証明も上がりミッションオイルも交換、保険に入って仮ナンバー取得して2CVさんは無事『伊藤自動車』さんに。もう思いっきり簡単に書きましたがこの間約2週間位の期間で伊藤さん所にも更に2週間位かなあ。とにかくやっとやっと本題のキャノンボールに間に合った訳なのです。


<2CV製作ダイアリー>

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(左)ありし日の一号車=暗峠にて=(中) 突然の廃車(右)2号車製作開始

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(右)こんな感じ(中)バラバラにし始める(右)バラバラ=外装=

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(左)夜も作業は続く(右)エンジン音と共にライト点灯


てな訳で車も出来上がりいよいよ出発、なんせ今回は車作る所から始めた(都合で詳細は省きました。写真が少ないのは作業でお手々がばっちく成ってカメラさわれんかったん)訳で僕にとっては過去最大のイベントに、どんな旅に成りますかさてさてこの続きは御楽しみって事に。

続く .....、




いざ出発へ


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